ブログについて3

ブログや個人ウェブサイトを始めて、今月で半年になる。

この半年間や今までの道のりをいろいろと振り返ると、感慨深く思えてくる。

昨年末までは日々の仕事や生活に追われ、何年も制作活動ができずに窮屈さや悩みも多かった。

そんな自分の気持ちや美術業界のことも、あまり見ないようにして日々過ごしていた。

制作を失った生活は、フィルターがかかったモノクロの世界のように見えた。

もちろん仕事は責任感を持って全力で取り組み続けてきたし、やりがいや学び、充実感もあった。

ただ、それだけでは埋められない本来の自分というか、やっぱりずっといつも自由になりたかった。

自分の気持ちに正直になることや敷かれたレーンから外れる行動を起こすことは、とても勇気がいる。

美大に行きたいと親に打ち明けた高校2年生の時を思い出す。

最初は反対され、普通の大学に行くように説得されたことがあった。

自分自身も平和主義の部分もあるので、一時期普通の大学に進むことを考え、進学塾に通った。

進学塾に通いながらも美大の資料を読み続ける自分自身に気付いたが、自分の願望や正直な気持ちを伝えることは難しかった。

小さい頃から好きだった美術を手放した喪失感はすごく、なんのために自分は生まれてきたんだろうとすら思った。

いろいろと悩んだが、やっぱり後悔したくないと決心し、勇気を出して親に美大に行きたいと再度伝えた。

心の底から思っていることを言葉にすると、ちゃんと相手に伝わることを知った。

いつも見守ってくれて、大学院まで進学させてくれた両親には感謝している。

毎日仕事だけで過ぎていく日々は、高校時代に感じた喪失感を思い出させた。

制作で食べていけるようになりたいという思いは、自分の中でどんどん膨らんでいった。

後悔や今動かないと美術作家としての道は二度と手が届かないものになってしまうという危機感があった。

美術作家として食べていけるようになろうと決心し、昨年ようやく行動を起こした。

今もまだ美術作家として食べていける状態にはほど遠く、悩んだり迷ったりする日々を過ごしている。

それでも、あの時決心し、行動を起こして良かったなと思う。

美術の世界に戻ってこれたことや好きな制作ができる日々がなによりも嬉しい。 

生活が再びカラフルな世界になったようにすら感じる。

個人ウェブサイトを本やネットで調べながら独学で作れるようになれるとは、半年前までは全く思っていなかった。

SNSでの毎日投稿や立体作品・水彩画など多ジャンルの作品制作への挑戦、展示を実現することもはるか遠い話に感じていた。

人は必死になればできるということも学んだ。

この半年間、格好悪くても人に連絡して意見を聞いたり、アートトークや展示、イベントに観客として参加した。

いろんな公募やレジデンスにも応募した。

とりあえず一歩でも前に進めるように、自分ができる範囲で積極的に行動してきた。

まだ一つ一つは芽が出ていないかもしれないけど、花を咲かせられるようにこれからも行動していこうと思う。

自分が一番しんどい時には、いろんな本を読んで勇気づけられた。

このブログでの数々の記事が、少しでも誰かの人生の役に立てば嬉しいなと思っている。

ブログを通して嬉しい報告ができるよう、これからも制作を頑張ろうと思う。