作品について9

世界情勢が不安定な現在、作品制作についていろいろと考えてしまう。

作品がもつ力や効果、自分が一番伝えたいことは何なのか。

もしかしたら、どんな美術作品も現実の厳しさの中では無意味なのかもしれないし、

美術作品だからこそ、強く伝えられる力があるのかもしれない。

世界がどのように変わるか先が見えない中、自分は何を表現したいのだろう。

生きているうちに、何を伝えられるのだろう。

危機感をもって、深く考える機会が増えたように思う。

ピカソが制作したゲルニカのように、美術作品は一目で強いメッセージを伝えることもできる。

一瞬で鑑賞者に様々な情報を伝えることができることは、美術作品がもっている強さでもある。

学生時代はとにかく絵を描くことが好きで夢中で描いていた。

その過程を経て、今は楽しさだけでなく、生命力や希望をテーマに作品を制作している。

最近はそれだけでは足りなくて、自分自身さらなる進化を求めている。

私は作品を通してメッセージを伝えたい。

それが何なのかは、今はまだはっきりとはわからない。

厳しい現実にも負けない自由を表現するのか、楽園を表現するのか。

それとも異なるものなのか。

ただ一つ言えることは、私は美術の力を信じている。

自分が何を表現したいのか、どうなっていきたいのか、

あらためてしっかりと考えていこう。

作品で表現していこう。

作品がすべて語ってくれたら、それでいい。